前段として西梅田土地区画整理事業、西梅田地区再開発地区計画により道路・公園等の整備が行われ、「オオサカ・ガーデンシティ・シティ」が建設、西梅田線沿いに文化・国際・情報の都市機能を備えた10棟の商業ビルが平成4〜12年までの間に竣工した。本プロジェクトは、西梅田地区のまちづくりの最終章として、古くからの土地所有者らが新たに土地区画整理事業を施行し、地区計画の区域変更を実施して大阪駅からのエントランスを整備したものである。
地区の課題(狭隘な南側区画道路、大阪駅前という好立地にありながら土地の高度利用がされていない等)を解決し、効果的な敷地を確保するため、敷地整序型土地区画整理事業を適用、区画道路の付替えによる敷地南側道路及び東側道路の拡幅・街区の整形化・一体化を実現。
本計画地の一部は、既に都市計画決定されていた西梅田地区再開発地区計画区域内にあったため、同地区計画の施行区域を拡大し、今回の区画整理事業にて整備する街区全体を編入した。
街区には良好な歩行者空間を整備。また、北東部には本地区への導入としてエントランス広場を共同で整備。
地下鉄西梅田駅及び西梅田地下歩行者道路との2箇所の接続を実現。集客性の向上につながった。
大阪駅に面する一角が高級感漂う商業施設群の整備により、隣接街区等へのまちなみ連続性確保
エンタテイメント機能として大阪四季劇場と大阪ブルーノートを設置。本地区の文化情報の発信性を向上
近隣の要望と地域の活性化を図るため、撤去した道路とほぼ同位置の新築建物内に南北通り抜け通路を設置し、その通路沿いに開放的な物販店舗等を配置
車路を共用することにより車両出入口を集約化し、相互に協力して周辺交通の円滑化を維持
敷地に面する道路部分も各事業者にて管理。違法駐車、迷惑駐輪防止に効果あり
近隣商店会会員と梅田2丁目地区地元振興環境整備推進協議会を設立し、工事中はもちろん竣工開業後の現在も、地域の環境整備等について近隣と一体となって取組んでいる。
敷地整序型区画整理事業によって、従前の二つの街区は1つに一体化・整序
街区東側は地権者の第二吉本ビル鰍ェ建物を建設し、運営
街区西側は地権者の阪神電気鉄道鰍ニ望月建設2社が共同で建物を建設し、運営
●阪神電気鉄道株式会社 不動産事業本部 技術部長 小林氏
 大阪・西梅田地区の街づくりの総仕上げとして取り組んだ今回の事業は、西日本初の敷地整序型区画整理事業を用いた基盤整備によって敷地の一体化・整形化、街路整備を行い、将来にわたって都心に相応しい機能を持った街を実現できました。これは地権者3社が同じ目標を持って取り組み、行政各部局の懇切な指導・協力を得られた結果で、プロジェクト関係者全員が共有すべき成果でしょう。開業後、お客様の来館による賑わいや周辺の円滑な交通の状況を見るにつけて、高容積の建築物の華やかさに目が向きがちな既成市街地の開発事業において、都市の骨格に大きな影響が及ぶ区画整理事業などの基盤整備の重要性を再認識したプロジェクトになりました。
●第二吉本ビルディング株式会社 不動産事業部 施設部 部長代理 北野氏
 当プロジェクトは、戦前より当地において土地を所有し、事業を営んできた当社にとっては、まさに集大成のプロジェクトであり、それだけに、単なる「建替え計画」では済まされないという思いで、数十年の時間をかけて土地を整理し、大阪の駅前の顔として相応しい「あり方」を検討してまいりました。結果として、阪神電鉄様をはじめとする良き事業パートナーに恵まれ、また、偶然にも敷地整序型土地区画整理事業という新手法にも恵まれて、望み得る最大限の成果が当プロジェクトに結実したと自負しております。今後は、このヒルトンプラザウエストそしてハービスエントが、大阪駅前の「都市の顔」として、都市の魅力を発信しつづけていくことが使命であると考えています。
▲ハービスENT
▲ヒルトンプラザ ウエスト
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