京橋川「水辺のオープンカフェ」
(広島県広島市)
水辺を生かしたまちづくりを進める広島市の取り組みの一環として、中心市街地の一角にあるものの人通りの少ない閑散とした河川空間を、期間限定ではあるが賑わいのあるスポットに再生する試み。
「都市再生プロジェクト(第四次)」実現に向けて設置された地元の推進協議会等が中心となって、いわゆる「社会実験」として取り組んだものがベースとなっています。
推進協議会等が中心となってオープンカフェ構想実現に向け活動、級河川の河岸利用の特例措置を受けて事業が実施へ移されました。
京橋川の河岸緑地において、市民団体などで構成される地元の推進協議会組織が社会実験をテコとして、従来規制されてきた商業・観光的な利用を図るプロジェクト。
河岸緑地に民間事業者が営業する飲食店・カフェを常設、水辺のにぎわいづくり。
水辺を都市の資源として、都市の活性化、新たな魅力づくりに活用するため、利用規制の厳しい河岸緑地を社会実験をテコとして新たな可能性を探る。
当初の年間目標3万7千人であったが、開業1年間で7万3千人が訪れている。(2年目は、5万3千人程度になるのではないか)。
河岸緑地の通行人も従前は5〜10人/時間であったものが、約3〜7倍になっており、防犯、治安面が向上している。
平成18年7月に京橋川沿いに新たなオープンカフェ(地先利用型)の出店が決まるなど、周辺地域へ波及効果を及ぼしている。
このプロジェクトは、「都市再生プロジェクト(第四次)」実現に向けて設置された地元推進協議会等が中心となって、いわゆる「社会実験」として取り組んだものがベースとなっている。
社会実験のなかで、河川利用制限の緩和、1級河川の河岸利用の特例措置を受け、河岸緑地における商業利用の道が開けた。
これを受けて、地元の推進協議会が適正な利用・運営の責任を担って実施にこぎつけています。営業期間は、最長でも6年間と決め、最初の3年間で評価し、良ければもう3年間まで継続できることとし、その後は元に戻すことを原則としています。
なんばパークス事業
地元協議会による社会実験推進のスキーム
本プロジェクトは、土地区画整理事業+再開発地区計画による土地・基盤の整備・整序と、南海都市創造(株)と(株)高島屋による「なんばパークス」の整備事業で構成される。
 
●水の都ひろしま推進協議会 会長 杉惠 頼寧 氏

 水の都ひろしま推進協議会は、広島市の貴重な地域資源である太田川を活用し、「水の都ひろしま」づくりに取り組んでいます。そのリーディングプロジェクトが京橋川「水辺のオープンカフェ」です。これは、全国に先駆け、河岸緑地に民間のノウハウや活力を導入した水辺の魅力づくりを実現したものですが、公共空間を営業活動の場として活用するには実に多くの課題がありました。特に、法的制約をクリアするために、都市再生プロジェクトの選定を背景とした、河川空間の規制緩和や新たな仕組み・手法の構築に多くの時間を割いてきました。約2年間の試行錯誤の結果、平成17年10月に開業し、現在、広島の新たな人気スポットとして好評を博しています。
  今後もさらに他のエリアへの拡大・発展に取り組み、「水辺のオープンカフェ」を「水の都ひろしま」を代表する風景として定着させていきたいと考えています。

●レガロホテル 代表 津久井 雅也 氏
 これまでJR広島駅から都心部への通勤路でしかなかった河岸緑地に、「水辺のオープンカフェ」ができたことで、都心に安らぎを与える風景が生まれ、人が集まり、憩う場所となりました。広島初の常設のオープンカフェということで話題性も高く、数々のメディアにも取り上げられ、都心部にありながら川と緑の自然空間を活かした、新たなスポットができたと思っています。
 運営は、季節、天候に大きく左右されるなど決して楽なものではございませんが、今後他地区にもカフェの設置が予定されていることもあり、行政や地域の皆さんとの連携を行い、より魅力的なカフェづくりを行ってまいります。
京橋川「水辺のオープンカフェ」
▲ 京橋川「水辺のオープンカフェ」
独立店舗型オープンカフェ
▲ 独立店舗型オープンカフェ
   
地先利用型オープンカフェ
▲ 地先利用型オープンカフェ
オープンカフェを利用したイベント
▲ オープンカフェを利用したイベント
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