平成8年に北九州工場の移転計画を発表
これを機に、隣接する旧国鉄やード跡地を含めた地区整備の検討委員会が発足
平成12年に土地区画整理事業の都市計画決定、組合発足
煉瓦建物保存のためのNPO設立活動も始まる
平成14年、整備方針を決定
平成15年改修工事着手、門司赤煉瓦倶楽部 特定非営利活動法人の認証を受ける
平成17年、門司麦酒煉瓦館、赤煉瓦館オープン、平成18年その他の施設もオープン
1. NPOが中核となって歴史的産業遺産を保存活用
保存したレンガ建物群は、西日本における麦酒製造発祥の地として歴史的にも、また建築的意匠においても価値を有する建造物である。
こうした建物を、街づくり総合支援事業を活用して修復した後、NPOが従前の所有者より無償譲渡などをうけ、その後の管理運営を担う。
平成17年度来館者数 約19,000人(H17.5部分オープン、H18.1フルオープン)
2. 周辺一体の整備のトリガーとなる先導事業
本プロジェクトは門司港に臨む工場・ヤード跡地の一角にある、土地区画整理事業によって地区全体を土地利用転換を進めるための、先導的な事業であり、沿道型商業施設(35,400u)、戸建て住宅や低層・中高層住宅(67,700u)など、総合的なまちづくりを牽引。
●北九州市大里本町土地区画整理組合 理事長 磯部定生
 大正2年創業のビール工場の域外移転を契機として、土地区画整理事業を進めてきました。当初計画では工場全体を解体することにしておりましたが、工場の一部には歴史的にも、また建築意匠面においても価値のある4つの煉瓦建築物があり、これを街づくりの核として活かしていきたいという機運が盛り上がってきました。
 歴史的建築物の保存、活用には資金的にもまた管理運営面でも多くの困難な問題がありましたが、行政、企業、地元との緊密な連携の中から、それぞれの役割を分担する知恵と工夫が生まれ、門司赤煉瓦プレイスとして逞しく生まれ変わることができました。
 関門海峡の夕日に輝く赤煉瓦建築物は、地域の歴史を物語り、また郷土愛を育んでくれ地域の交流拠点施設として大きく脈打っております。「成せば成る・・・」心意気の重さを強く感じているところです。
●特定非営利活動法人門司赤煉瓦倶楽部 理事長 笠ア壯夫
 87年もの間、ビールを作り続け、地域の産業を支えるとともに、時代の生き証人として地域の変化を見続けてきた赤煉瓦たち。残念ながら「ビール工場」では無くなりましたが、大里本町の新しいまちづくりの顔「門司赤煉瓦プレイス」として新たな息吹が与えられました。これからはより一層地域の市民の活動拠点として、関門に行きかう方々の安らぎのスペースとして新たな歴史を作り続けていくこととなります。
 しかし、ノスタルジーだけでは古い建物は残せません。様々な課題もありますが、私たち門司赤煉瓦倶楽部は、この赤煉瓦が一日でも長く保存され続け、一人でも多くの方に愛され続けていくことを願い、努力してまいりたいと思います。
●北九州市建築都市局整備部区画整理課 課長 城戸 昌司氏
 サッポロビール鰍フ工場移転が発表されて以来、市としては、市内に工場を残していただけるように強く働きかけをしてまいりました。そしてあらゆる機会に私ども市職員がサッポロビールを愛飲いたしました。結果は日田市への全面移転。大変残念な思いをしたものです。しかし、紆余曲折がありながらも、組合、サッポロビール梶A市が協働して、なんとか煉瓦建物群が保存活用できるようになりました。
 煉瓦建物群を「まちの顔」として再生し、「門司赤煉瓦プレイス」という新しい観光スポットを誕生させることで、まちづくりのイメージアップを図ってまいりました。また、地元の有志により立ち上げられたNPO法人が施設の一部を管理運営するとともに、さまざまなイベント等を開催し、地域の活性化に積極的に取り組んでいます。持続可能なまちづくりの担い手として、NPO法人門司赤煉瓦倶楽部に大いに期待しています。
▲モニュメント館等の外観
▲テラス
▲レストラン
▲事業中の区画整理地区
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