倉吉打吹地区
(鳥取県倉吉市)
豊かな意匠をもつ町家、白壁の土蔵や石橋といった歴史的景観が残される倉吉打吹地区では、火災による建築の焼失など困難な局面を市民活動の盛り上がりによって克服。市民と行政の協働によるまちづくりの取組みを継続的に実施。
国土交通省中国地方整備局の夢街道モデル地区認定を契機に、住民と市が打吹地区の歩行ネットワークを検討。それに基づき側溝美装化、自然色舗装、ベンチ・道標・照明施設などを設置。
市民から寄せられた義捐金で火災跡地の一部を購入し、防災センター「くら用心」を整備。倉吉街並み保存会は自主防災の組織を結成し、消防設備の維持や防災訓練を実施。
八橋往来まちなみ研究会は、街並みの保存・修景に関する検討を行い、市はその検討に基づき街並み環境整備事業による修景事業に着手。
「遥かなまち倉吉〜ほんものに出会えるまち(本物志向)〜」をキャッチフレーズとし、伝統的建造物群保存地区内で発生した火災による空洞化、倉吉の豪商淀屋牧田家ゆかりの町家の取り壊しなどの危機を克服し、密集地区に欠かせない防災まちづくりや歴史観光地の活性化など市民との協働の取組みを推進。
伝統的建造物群保存地区での火災を二度と起こさない取り組みの推進。
次世代に残していきたい建物やまちなみなど広い意味での伝統文化の保存。
周辺温泉地に訪れる来訪者の倉吉打吹地区への誘導
自分たちが住む「文化財としてのまち」に誇りを持ち、市民主体によって取り組む町家の保存。また、伝統的建造物群保存地区内での火災経験に基づく防災まちづくりの実践など、歴史的景観のまちならではの取組みを市民レベルで組織的に展開。
老朽化に伴い本町通アーケードを撤去。沿道の住民が相互にまちづくり協定を締結し、街並み景観の取組みを実践。
株式会社赤瓦などは歴史的建物を活用した飲食物販施設を整備。あきない中心倉は、福の神(木製の彫像)の設置など地域活性化の取組みを実践。
大阪で再興を果たした大商人淀屋と深い関わりのある倉吉の淀屋清兵衛の不屈の精神を後世に伝え、まちづくりに活かすべく、淀屋牧田家再生プロジェクトを結成、定期的にサミットを開催。
倉吉市長 長谷川 稔氏
  予想し得なかった様々な困難に直面し、もうだめかと思うことが何度もありました。しかしながら、寄せられた多くの浄財や、市民活動の盛り上がり、国土交通省をはじめとする関係者皆様の有形・無形の支援により、なんとか困難を克服し、倉吉の将来に必要な取り組みにつなげることができました。
 官・民それぞれが、自らがすべきことを、責任を持って着実に果たしてきていることが、今回の受賞につながったように思います。
防災センター「くら用心」と可搬式ポンプ
▲防災センター「くら用心」と可搬式ポンプ
左:修理・修景が施された土蔵を活用した店舗
  右:株式会社赤瓦が整備運営する赤瓦1号館
▲左:修理・修景が施された土蔵を活用した店舗
  右:株式会社赤瓦が整備運営する赤瓦1号館
約40体の福の神が設置されており、福の神をめぐるスタンプラリーなども開催される。
▲ 約40体の福の神が設置されており、福の神をめぐるスタンプラリーなども開催される。
火災直後の様子と、防災訓練
▲ 火災直後の様子と、防災訓練
左:市長と童門冬二氏の対談(淀屋サミット)
右:淀屋牧田家復元模型(くら用心に展示)
▲ 左:市長と童門冬二氏の対談(淀屋サミット)
  右:淀屋牧田家復元模型(くら用心に展示)
左2枚:アーケードに立派な町屋が残っている。
右:長谷寺の観音市では、多くの人で賑わう。
▲ 左2枚:アーケードに立派な町屋が残っている。
  右:長谷寺の観音市では、多くの人で賑わう。
回遊性向上のため 道標、ベンチ、案内板を設置。デザインは地元NPOが担当。材料は地元のものを使用。
▲ 回遊性向上のため 道標、ベンチ、案内板を設置。デザインは地元NPOが担当。材料は地元のものを使用。
八橋往来まちなみ研究会による検討の様子
▲ 八橋往来まちなみ研究会による検討の様子
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